最終更新: maimaiganbou 2018年07月28日(土) 17:11:41履歴
- こういった「対案を出せ」的な反論をTINA(There Is No Alternative)と言います。
- 直訳すれば「これしかない」という感じで、英国首相だったサッチャーが論敵を黙らせるのによく使ったやり方です。近年では橋下徹元大阪市長が得意としていました。「これしかない」という所から派生して、論敵に自分の意見を飲ませるための詭弁として使われています。
- TINAの問題点は課題を根本から検討することを拒否する点にあります。
- つまり、「ほんとうにこれしかないのか?」「そもそも現状認識自体がおかしいのではないのか?」といった問題の前提条件やそれに至るまでの思考の道筋などを検討しないで済ませてしまうおそれが強いのです。
- もう一つ、「対案を出せ」という論法の問題点は、往々にして「対案を出せ」という方に決定権が握られているということです。
- 最初から「これしかない」といっているわけですから、いくら対案を出したとしても聞く気がない。対案を多数出したとしても徒労に終わるのが関の山です。
- つまり、TINAを用いている側は本気で対案を求めているのではなく、「私に敵対する人は、実は無力で無策ないい加減な連中なのだ」ということをレッテルを張るために言っている場合もあるのです。
- もちろん、対案を出すことが必要な場合もあります。
- 最初から選択肢が限られていて、それらが明確なとき。
- 議論の前提を共有していて、対立しているのが方法だけのとき。
- すぐに結論を出さねばならないとき。
「ならぬことはならぬものです」と対案なしで拒否するのも、場合によっては立派な反論です。
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