最終更新: maimaiganbou 2018年07月29日(日) 12:23:35履歴
- 「○○人には犯罪者が多い!」といった主張が統計的に誤まっていることをいくら指摘しても、「差はあるだろ!」といった反論が必ず出てきます。
- なので、もっと根本的な問題として、特定の民族と犯罪性を結び付けることの不毛さについて説明します。
- 生来的犯罪者説
- ある民族と犯罪性を結び付ける人々の主張に多く見られるのが、「犯罪者としてのDNA」という表現です。ある民族には、犯罪者としての素質に関わるDNAがあって、それを代々受け継いているから自分たちと比べて犯罪性が高い、というのがおおよその主張です。
- さて、生まれつき犯罪者となる人物がいるという生来的犯罪者説を主張したのは、イタリアの精神科医ロンブローゾですが、これは1900年代のものであり、とっくの昔に否定されています。ましてや、犯罪性が特定の民族と結び付いていることを示す科学的根拠はありません。
- 犯罪を起こすとしたら別の要因
- 仮に外国人の犯罪率が高いのだとしたら、それは彼らの先天的な特徴ではなく、外国人であることからくるさまざまな問題が原因だと考えられます。
- 例えば貧困。貧困それ自体もですが、貧困による社会的な繋がりの喪失も犯罪の大きな原因となります。外国人であるために日本社会にうまく適応できない、あるいは就職や結婚といった集団へ参加する機会を持てないことが犯罪の原因になったりします。
- 犯罪心理学には、ソーシャル・ボンド理論というものがあります。これは、社会的な繋がりを持っている者は、そうでない者に比べて犯罪を犯さないというもので、端的に言えば、就職や結婚をしていたりすれば、犯罪が露見した時に失うものが多いからしにくいよね、ということです。
- 排外主義のナンセンス
- 「○○人には犯罪者が多い」といって排外的な主張をすることは、相手を排除するという安易な選択であるだけでなく、本当に解決すべき根本的な問題を見失せてしまいます。
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